
天元です。この名前の由来である囲碁をご紹介しているこの連載。
今回は囲碁に親しんでもらえるように、マンガをレビューしたいと思う。

でも、囲碁のマンガってあんまりないんだよね。

しょげててもしょうがない。
私が知ってる限りの、4冊のマンガをレビューしていくぞ!
- これまで知らなかった囲碁を知った気になれる
- 興味の幅が広がる
- もしかしたら囲碁に興味がわくかも(わいてほしい)
- 囲碁番組を見て、雰囲気だけは楽しめるようになる
ヒカルの碁/原作:ほったゆみ 漫画:小畑健
運動好きで頭を使うことが嫌いなごく普通の小学校6年生である進藤ヒカルは、祖父の家で古い碁盤を見つける。碁盤の血痕に気づいたヒカルは、その碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)の霊に取り憑かれる。非業の死を遂げたという佐為はかつて棋聖・本因坊秀策にも取り憑いていたという。囲碁のルールも歴史も知らないヒカルであったが、「神の一手を極める」という佐為にせがまれて碁を打ち始める。以降、佐為はヒカル以外には姿も見えず会話もできず、物を動かすことすら出来ない存在であることを前提に物語は進む。
ヒカルの碁Wikipedia
最初に取り上げるのは、おそらく名前くらいは聞いたことのある「ヒカルの碁」。
このマンガのすごいところは、囲碁をまったく知らなくても、その人間ドラマだけで楽しめるところ。
もちろん囲碁のルールを覚えてから読んだら、さらに深く楽しめる。
ちょっと残念だなと思ったのは、刊行時期が少し古いため、タバコの描写が多いこと。
昔は碁会所といえばタバコの煙でもうもうとしていたものだが、最近は分煙、禁煙のところがほとんどだ。
あと、魅力的なキャラクターばかりなので、ちょっとしたラブロマンスも読みたかったと思うのは、筆者だけだろうか……。
- マンガとしての完成度・総合評価としてはコレが一番
- 囲碁を一切知らなくても、ストーリー、人間ドラマだけで楽しめる
- 個性がまったく違うキャラクターが多数登場する
- 佐為がカッコいい
- 名瀬がカワイイ
- あかりちゃんもカワイイ
- 吉原(旧姓・梅沢)由香里六段が監修
星空のカラス/モリエサトシ
気難しく嫌われ者だったプロ棋士の祖父から囲碁を教わり、その魅力に取りつかれた烏丸和歌、13歳。自身もプロ棋士になりたいと願うが、倒れた妻(和歌の祖母)より囲碁の試合を優先した祖父のような非情な人間になってほしくないと、母親からプロ棋士どころか囲碁をすることさえ猛反対されている。ある日、アマの囲碁大会に出ていた和歌は、指導に来ていたプロ棋士の鷺坂と出会う。後日、怪我を隠しながら名人リーグ戦に挑む鷺坂の勝利への執念と気迫を目の当たりにした和歌は、より一層、プロ棋士への夢を確かにし、母親から「少年少女囲碁大会の全国大会で優勝したらプロ棋士になることを許してもらう代わりに、負けたら囲碁を辞める」との約束を取り付ける。
星空のカラスWikipedia
囲碁のマンガがないか、あちこちを探していたら、なんと少女漫画(花とゆめコミックス)にあった。
この作品は「ヒカルの碁」とは違う、ちょっと恋愛も絡むところがある。
しかし読み進めると、ラブラブな感じより、囲碁とはものすごく精神力を使い、対局だけで体力を消耗する激しい競技だということが描写されている。
そのうえで、囲碁を通じて人と人とが通じ合っていくさまを見せてくれるのがこの作品だ。
少女マンガとナメてかかると、ちょっとヤケドするくらいなハードな内容がより惹き込ませてくれる。
ちなみに、少女マンガによくあるページ下や枠の柱位置にあるスペースに囲碁入門的なマンガが描かれているが、そこで従兄弟の里津ちゃん(ギャル)が、教えてくれるプロ棋士に惹かれていくところも面白い。
- 狂おしいほど囲碁を愛し、苦しみながらも打つ姿に感動する
- 絵柄はカワイイがストーリーの中身はなかなかハード
- 少女マンガらしい女の子もカワイイが、男子が美形ぞろい(にちょっと嫉妬)
- 個人的オシは里津ちゃんのギャルっぽい見た目なのに、恋には純粋なところ
- 穂坂繭三段が監修
こもれびの碁/片ノ瀬結々
祖父が運営する古びた碁会所で手伝いをしている千鶴は、碁会所に来る客たちと対局するがいつも負けてばかり。その日も常連客達に連敗していると、ふと後ろから声をかけられる。「強いですね。もしよかったら一局お願いしてもいいですか?」相手は初めて見る男子高校生。負けたのに強いってどういうこと? 始まった対局。しかし、その男子高校生はなぜか千鶴の打ち方がとても不満なようで…。熱いほど一途な気持ちが交わる青春ストーリー、ここから始まる!
こもれびの碁【ピッコマ】
これまでの2作品は完結してるけど、この作品はまだ掲載中。
アマゾンで買えるのは8話までで、これ以後の話を読むには、またアマゾンで販売されるのを待つか、ピッコマサイトでポイントを購入して読む必要がある。
さて、この作品で一番気になるのは、主人公・千鶴の囲碁への態度。
とても囲碁が好きで打ってるんだけど、どこかそれにのめりこめない、のめりこんじゃいけないような描写が各所にでてくる。
そして、それに肉付けされるように、高校時代特有の甘酸っぱい青春ストーリーが語られていく。
どちらかというと「星空のカラス」より、こちらのほうが少女マンガっぽくはある。
- ちょっと謎めいた主人公・千鶴の囲碁への態度(のちに判明する)
- 囲碁の描写は他2作品よりも軽めで、少女マンガらしい青春ストーリーが楽しめる
- 一話が短くダレにくく、先を読みたいと思わせてくれる
- 星合志保二段が棋譜監修
日々碁席/笠太郎
碁会所「○(まる)」は、今日も大の囲碁好きたちで大賑わい。看板娘のさくらちゃんがみんなにお茶を配ります。集う碁打ちの面々は、おじさん・おじいさんが多いものの、大学生やサラリーマン、女性だけの碁会メンバー、小学生までと、多士済済。席亭はさくらちゃんのお祖父ちゃん。彼の言葉「碁は心の通じ合い」の通り、対局の数だけドラマが有って…個性豊かなキャラクターたちの多彩な人生模様が描かれる、ほっこり碁会所ものがたり!
日々碁席 アマゾン紹介ページ
この作品は、囲碁の総本山「日本棋院」が発行する月刊誌“碁ワールド”に連載されていたのをまとめたものだ。
副題の「ほっこり碁会所ものがたり」とあるとおり、碁会所「○(まる)」での出来事が綴られている。
筆者はネット碁会所ばかりで、街の碁会所にはあまり行かないのだが、この碁会所「○(まる)」のような、居心地がよさそうな碁会所なら通い詰めてしまうかも。
そう思えるような安心して読める内容のドラマが描かれている。
正直、マンガ自体はちょっと古いタッチだが、そこが逆にしっくりきて、内容もスルリと入ってくるのが不思議だった。
- 碁会所の良い雰囲気が感じられる
- 日本棋院が発行する雑誌に連載されていたという信頼性がある
- 絵は古いが“ほっこり”する安心感を持って読める
- 席亭(店長)の孫娘のさくらちゃんがカワイイ
まとめ:全部面白い! 全部読んでほしい!!
短くて申し訳ない。
探しに探して、集まった囲碁マンガが4作品だけだったのだ。
しかしながら、今回取り上げた4作品はどれも囲碁と人間ストーリーのどちらも楽しめる作品なので、ぜひ読破していただきたい。
また、これを通して囲碁に興味を持っていただけたなら幸いだ。
私も、囲碁を興味を持っていただいた方向けの記事を書いていきたいと思う。
まずは第一回の連載を振り返ってもらって、囲碁の魅力を少しでも感じてほしい。
短くて申し訳ないなんて・・・><
わかりやすくて 読んでて楽しかったです♪