
囲碁盤は種類がいっぱいで、どれを買ったらいいかわからん

そこで囲碁経験10年以上の私がオススメの囲碁盤をご紹介します!

あれ? お前さん、12級じゃなかったっけ? まだ弱いじゃろ?

何度も挫折してて、やっとこの2年奮起してるんですよ。
経験は長いんです……。

まぁ、それだけ失敗も重ねているので、良いものを紹介できると思いますよ。
おじいさんが言うように、囲碁盤はピンきりで、どれを選んだらいいかわかりづらい。
そこで、初心者はこれを買ったら間違いないという一品をご紹介していこう。
まずは、“初心者こそいきなり19路盤を買ってしまおう”という理由を説明していくぞ。
- 初心者でもどの碁盤を買えばいいかわかる
- 囲碁盤にはどんな種類があるのかがわかる
- なぜ高い碁盤があるのかがわかる
- 囲碁盤のお手入れの仕方がわかる
購入前に注意したいこと!
これから囲碁盤を紹介していくが、2つ注意したいことがある。
●囲碁盤には、碁石とその器の碁笥(ごけ)とのセットがあるので、碁石を2つも買ってしまった、逆に碁盤だけ買ってしまった、なんてことがないようにしよう
●マグネット碁盤やポケット碁盤といった19路だが小さい碁盤もあるが、小さく扱いづらいので、最初に買うのは避けよう
囲碁経験10年以上の筆者がいきなり19路盤をオススメする3つの理由
囲碁盤の広さの違いについては後述するが、19路盤とは一番スタンダードな大きさの囲碁盤で、初心者がいきなり打つと、その広さに戸惑ってしまうかもしれない。
それでもなおオススメする理由はこうだ!
●狭い碁盤を買っても、最終的には19路盤が必要になってくるから
●初歩の布石と定石を覚えれば、初心者でも19路盤で十分打てるから
●碁会所や大会で打たれているのが19路盤なので、のちのち困らなくてすむから
あえてぜいたくを言うなら
●19路盤の囲碁盤と碁石のセット
●9・13路盤の囲碁盤のみ
これをそろえておくといいかもしれない。

この2つがあれば練習・実戦と両方で使えるけど、19路盤だけでもOKだよ
囲碁盤の広さによる違い
19路盤をまず買おうと書いたが、それでもどんなものがあるかは知りたいところ。
まずは広さによる囲碁盤の違いを紹介していこう。
6・9路盤
6路は正式な広さのものではなく、あくまで練習用の広さの碁盤。
非常に狭くて初心者でも打ちやすい。
9路盤も狭い碁盤だが、こちらは正式な種目もある碁盤。初心者大会や初心者教室などでよく使われる。
ただ、狭い碁盤はパソコンソフトや無料のスマホアプリでもあるので、筆者的には無理して買う必要はないと思う。
13路盤
これもスタンダードな碁盤に比べると少し狭い。
ただしこれの正式種目も開催されることがある。
9路、13路と順を追って上達していくのが良いとされているが、これも筆者的には飛ばしていいと思う。
無料のアプリなどで練習はいくらでもできるからだ。
19路盤
さて、本命のもっともスタンダードな囲碁盤がこの19路盤。
19路盤になると材質や同じ木でも素材や木目によって違いが出てきて、それこそ数千円から数百万円するものもある。
初心者こそ、この19路盤をまず買うべきだと筆者は思う。
囲碁盤の種類による違い
次に材質や作りなど種類による違いを紹介していく。
ゴム製碁盤
材質がゴムや塩ビでできている碁番で、使わないときにはくるくると巻いてしまっておくことができる。
また打つときの音が静かなのも特長。
ただ、碁盤に打つときの“カン”って響きがないと寂しいと感じるひとも多いだろう。
折りたたみ碁盤
二つに折りたたんでしまっておける碁盤。
値段的にも手頃なので、このタイプの囲碁セットを買っておくのをオススメしたい。
卓上碁盤
折りたたみではない、1枚板の碁盤がこちらのほう。
折りたたみは安っぽくてちょっとなぁ、という人はこちらを買うといいだろう。
ただし、折りたたみより値段は高い。
脚付き碁盤
4つの脚がついた碁盤。
プロの対局でも使われている本格的な碁盤だ。
このクラスになるとさらにピンきりが激しくなり、数万から値がつかない天井知らずのものまである。
囲碁盤は一生にそう何回も買うものではないから、思い切って買うというのもアリかも。
囲碁盤の素材による違い
ここからは初心者はあまり興味がないかもしれないが、ウンチクとして読んでいってほしい。
ゴム・塩ビ製
名前のとおり、ゴムや塩ビで作られた碁盤のこと。
打つときの“カン”って音がしづらく、静かに打てる。
また大人数が参加する囲碁大会でもよく使われる。
ヒバ
ヒバとは木材の一種で、北米産のヒノキ科の常緑高木。
木目が緻密でキレイ、本榧(ほんかや)に次ぐよい材料とされているが、材質が柔らかく耐久性に欠けるといった欠点もある。
新桂(しんかつら)
東南アジア原産の素材で、別名アガチスともいう。
価格が手頃なことから、練習用の素材としては最適とされている。
本桂(ほんかつら)
北海道産の桂材のことをいう。
打ち味がよく、木目も季節であまり変化せず、狂いの少ない盤が作れるが、近年原木が少なくなってきており、代わりにアガチスを使った新桂が多くなっている。
新榧(しんかや)
北米西海岸産のヒノキ科の常緑高木を材としている。
別名・スプルースと言われている。
巨大な木なので、作られる盤がほぼすべてキレイな柾目になるのが特徴だ。
本榧(ほんかや)
碁盤や将棋盤で、最高級の素材として使われている。
打音、香り、打ち心地は最高で、使い込むほどに明るい飴色になるという。
ただし、値段も最高級。
筆者も宝くじでも当たったら、本榧碁盤を手に入れたいと思っている。
囲碁盤の木目による違い
囲碁盤は木で作られたものには必ず木目が浮き出ている。
しかし、木のどの部分から切り出したか(これを木取りという)で、その木目が違ってきているのだ。

このような4種類の木取りの仕方がある。
注意して見てもらうとわかるが、柾目の木取りをしようとすると、より太い木材が必要になる。
つまり、柾目のほうが希少価値が高い、よって価格も高くなる。
そして、木取りをしたあと、仕上がりがこうなる。

手書きで木目を書いてみたので、少し汚いが……。
囲碁盤を横から見るとこのような模様になる。
これによって、何がどう打っている人にとってトクするかというと、ぶっちゃけ見た目がカッコいいかどうか。
多分、それが大部分になってくると思う。
碁石の材質による違い
碁盤の違いのように、碁石にも材質によって違いがある。
それを軽く紹介していこう。
プラスチック
その名のとおり、プラスチック製のもので、白も黒も同じ材質だ。
安価で手に入り、入門にはいいかもしれない。
ただ、ちょっと安っぽくおもちゃっぽいのも否定できない。
ガラス(硬質ガラス)
硬質ガラス製で、こちらもプラスチック製の次に安価。
つまむとひんやりしているのが気持ちいい。
一般の碁会所で広く普及しているのもガラス製。
欠点は、力強く打ちすぎると欠けてしまうことがあることだ。
那智黒(なちぐろ)・本蛤(ほんはまぐり)
これが本来の碁石の姿で、黒は那智黒という石が使われ、白はハマグリをくり抜いて作られている。
石の厚さによって値段は違うが、最高級の碁石なのだ。
碁盤のお手入れの方法
碁番をしまうときには、直射日光を避け、ストーブや冷暖房の近く、温度変化が激しい場所には置かないようにしよう。
また盤を拭くときは柔らかい布で乾拭きし、水拭きはカビの発生にもなるので絶対にやめよう。
もしも、脚付きなど高級な碁盤を買ったら、お手入れ用の椿油も売ってるので、それを利用してみよう。
まとめ
弘法筆を選ばずというが、どうせならいいものを手に入れたいと思うのが本当のところ。
囲碁盤、囲碁セットは、本当にピンきりなので、自分に合った一品を選んでみよう。
ただし、初心者であっても
●19路盤の囲碁セット(囲碁盤、碁石、碁笥)を買うこと
●マグネット碁盤やポケット碁盤はあくまで持ち運び用なので避けること
これを口酸っぱく言っておく。
囲碁盤を買ったら、ますます勉強がはかどるぞ。
第5回目の連載に初心者用サイトとルールを覚えたらすぐに読める本を紹介しているので、そちらもチェックしてほしい。
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